自信をつけるためには

「自信をつけるためには」

私はよくこのフレーズをググる

なんで恋愛できないんだろう。なんで友達がうまく作れないんだろう。なんで大人数のコミュニティが苦手なんだろう。なんで春が大っ嫌いなんだろう。なんでやる気が出ないんだろう。なんで突然やりたくなくなっちゃうんだろう。なんで1日動けないんだろう。人間関係や自分のコンディションへの悩みは尽きなくて、それを突き詰めていくと自信がないってことに行き着く。

自分のことを自分で決められない子だった。コダワリとかは持っていたんだけど、それを他人に明示することが怖くて、他人の前では真っ白な自分でいた。一人一人に合わせた好みを答えて、一人一人に合わせた自分で対応する。でも1人でいるときは、1人の世界がかなり強くて、幼稚園から小学校時代にかけての記憶は空想の世界が大部分を占めていて、ぶっちゃけ誰と遊んだとか誰と喧嘩したとか覚えてない。なにかの物語を考えられない人生が全く考えられなくて、現実と違う世界を誰しも持っているものだと思っていた。それじゃないと人生はつまらなすぎて死んでしまうと本気で思っていた。他人との関わり合いから生まれるおもしろさは概念として私の中に存在していなかった。

そのまま中学生になって、"他人との関わり合いから生まれるおもしろさ"をだんだん掴んで行った。そこから始めたようなもので、人のコミュニティがどうなっているかどういうコミュニケーションがどう始まるのかどう行われてなにが生まれるのか、どう人と付き合えばいいのかが全くわからなかった。空気が読めないとか天然とか理解できていないとかトロいとか、使えないとか言われた。明るくて面白い子になりたくて、楽しい話ができるように自分の中身を変えようと頑張ったけど、人と向き合う時、部活も教室も塾も本気でぶつかろうと思うと苦しかったから逃げた。適当にみんなが頑張って作り上げたものにふわふわただよって、なにも頑張らずにその上澄みだけを享受した。絵が描きたかったけど暗いと思われるのが嫌で授業中に動く手を抑えた。

高校は自分で決めた。ファッションのデザイン部があったからそこにした。でもすごい適当に決めた。文化祭は3分で帰った。学校が始まる前は新生活への期待はすごく大きくて、わたしはわたしのなりたいものにここならなれると本気で思っていた。中身を開けてみると、キラキラしたものが激しく主張しあって特殊な世界を作り上げていた。気持ち悪いと思った。在校生も新入生も目が爛々としていて、自信満々に変なこと言うし気色悪い、死ね!まで思った。多分単純な言葉で表すと"高校デビューに失敗!"みたいなことなんだろうけど新しい"憧れ"の環境に行くたびに最終的に死ね!までいってしまうからこれはただの私のサガである。

高校では楽しいことはもちろん沢山あって、悩みの方が少ないくらいだったけど今は思い浮かばないし書きたくないから省略。受験はすごいなめてかかった。1日の勉強時間は全部足して割って平均出したら30分満たないと思う。センター終わってから受験1校目までずっとペンを握ることさえしなかった。塾では席に着いた瞬間1時間寝た。2時間くらい絵を描いてたりハロウィンコスチュームのまま塾に行ったりした。出席率はすごく悪かった。ブースの予約をしても行かなかった。1ヶ月に10日来てればいい方だった。そのくせ塾以外では勉強しなかった。家に帰ったらすぐベッドで10時間以上そのまま寝た。こんなに詳細に書けるのは受かったからで、むしろ武勇伝みたいに思っているからかもしれない。

大学はすごくつまらない。なんでこの大学を選んだかは覚えてないしかなり適当に選んだ。文化祭は行かなかったし入学式に初めてキャンパスを歩いた。ほんとは、自分の人生が本当はかなりどうでもいいんじゃないかと思う時がある。焦るとかなり必死でやる方だと思うけど最近はそれすらもアホらしい。就活とか考えると自分の居場所がわからない。わたしはなにをしたかったんだっけ?なにをあんな偉そうに夢と語っていたんだっけ?とにかく金融とか銀行とかは堅物そうだから無理。企画職かデザイナー、なんかクリエイティブっぽくてカッコいいからやりたいな。わたしは多分アイデアに関しては才能あると思うんだよねなんてかなり井の中の蛙大海を知らず。

自信をつければ全て解決する気がする。処女を捨てればカッコいい大人の恋愛ができる気がする。魔法の夜で次に日が昇った時から第二の人生が輝かしく始まる気がする。誰か素敵な人との出会いで今までの自分をまるっと置いて新しい私が生まれるような気がする。自信をつければ全て解決する気がする。笑顔が似合う主人公の女の子に私もなれる気がする。自分の人生を自分を主人公にしてかなり正しく歩んでいるあの子みたいに私もなれる気がする。私の卑屈で不快な気分にさせたくないし、卑屈がどんどん私を飲み込んでいくのにはもううんざりだ。

そして自信をつけるにはどうすればいいか。私がググった結果、「ありのままの自分をダメな部分を含めて認めてあげよう」が圧倒的多数だったのですが、それってすごーーーく気持ちいいことで、気持ちよすぎて、ズブズブはまっていってしまうドラッグのような自己肯定。疑い深い私にはすごく難しくて、だってこのままでいいわけないんだよ。それをわかってるってとこでまず褒めて欲しいくらいなのにさ!なんてことは言わないが人としてダメなところが分かる。貯めたお金に自分を見出すなんてつまんなすぎる。自分が欲しいものを買わないための金なんてウンコ以下!仕事に自分を見出したいけどまだ学生だし学業に自分を見出すほど勉強は好きじゃないみんなそうでしょ?でもみんな本当に頑張って恋愛もするしサークルとかで仕事とかもらって、良いものにしようとしているんだよね。偉いよねすごい!それだけで尊敬。私以外のみんな尊敬してる。みんなって誰なんだろう。みんなって何?私が触れた3人くらいの友達から聞いた友達の友達が私のみんなだよ。今世界にはまだ飢餓で死ぬ子供達が沢山いたりツバルがもうすぐ海に沈むとこまで来てたり中国の砂漠化が止まらなかったりするけど私が死んだら地球も宇宙も終わりだし、わたしの宇宙はその小さな世界でしかない。その小さな世界も満足に生きられない私ってなんなんだろう。猿から進化したことを考えたらすごくどうでも良い話だよ。全部!現実を直視しない方法を幼稚園からずーっと考えてきた。人生ってとても楽しいけど苦しいと考えられる人はとても人間を正しく生きていると思う。それだけで自信を持つべきだよ。私は置いていってくれ。みんなの蔑んだ目が見える。ばかにすんな!敬えよ。天才って言って、必要って言って、あいつよりすごいって言って。何もできないのにすごい望んでる。ベッドの上でずーっと考えてる。すごいって言ってって思ってる。死ね。